コラムの依頼を受けた
私に・・・出来るかなぁ、そんな不安な気持ちより
「嬉しい、やってみたい」という気持ちの方が大きかった。
「やってみます」そんな向う見ずな即答から始まったコラム、
ここにはフレンチブルドッグを飼ってらっしゃる方が多く訪れるページらしい。
実のところ 私のフレンチブルドックとの接点は
お散歩途中のすれ違いぐらい。
フレンチブルドッグって クスッと笑いを誘うような顔の表情や、
背中から漂う妙な哀愁、バックハグを誘うような愛らしい後ろ姿を
併せ持つ犬よね・・・と私の頭の中に居るフレンチブルドッグを思い浮かべてみた。
すると、フレンチブルドッグの振り向き様の「なに?」と
言っているかのような姿が浮かび、思わずほほが緩んでしまった。
うん、可愛い。
そんなフレンチブルドッグの愛らしさ認識度“初級”の私ですが
よろしければ、独り言の様なお話コラムにお付き合いください。
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ちょっと前まではコート不要な暖かさだったのに、寒波到来。
川沿いの桜並木の紅葉は見事なまでに吹き飛ばされ
裸の木々が風に揺れる姿は、ブルブルと震える私の姿に似て、
一段と冬の寒さを肌に感じさせた。
先月の事だった、晩秋の澄んだ空気が気持ちよく
自転車で買い物に出かけた、その帰り道の出来事だ。
お散歩中、とおぼしきゴールデンリトリバーが向こうからやってきた。
躾が行き届いた犬なのだろう
ちゃんと御主人と歩調を合わせて歩いている。
足さばきはスキップを踏むかのごとき軽快さ。
盛大にしっぽを振っている。
まるで ワンちゃんのお尻辺りに風を巻き起こしそうだ
ご機嫌気分、間違いなし。
こちらに歩いてくるワンちゃんを見ているだけで
私までニヤニヤと笑顔になる。
思わず
「そんなに、散歩が嬉しいと?」
そんな言葉を呟いてしまった。
すると すれ違いざまにそのワンちゃんが
私にウィンクをしてよこしたのだった。
いえいえ、見間違いではない、確かに確かにウィンクだった。
きっと お散歩の時間があまりにも嬉しくて、すれ違いざまの私にまで
ウキウキ気分を分けてくれたのだろう。
ウィンクの一撃は、平凡な私の一日にきらめきを与えてくれた。
女心をときめかす、なかなかのやり手のワンちゃんのようだ。
一瞬で参ってしまった私は、またウィンクワンちゃんに会えるかも。
そんなあったかい期待を抱きながら
手袋とマフラー二重巻きの防寒対策をして
寒風を切って、でかけることにした。